
初めて横浜FCの試合を観た時から、5年が経った。
あの日と同じ、三ツ沢公園球技場。
あの日と違うのは、雲一つ無い、晴れ渡った空の色。
あの日と違うのは、スタンドを満席にした、たくさんのファン。
スタジアムの入り口で、偶然友達と会った。
久し振りの再会にビックリして照れ笑いするしかなかった。
楽しそうだから、と家族連れで観に来たそうだ。
「アハハハ。久し振りー♪ 未だに独りで遊んでるのー?」
って言われた。
うるせーよー!って言い返した。 恥ずかしかったから。

入り口で、水色の風船を配っている。
先着1万名にプレゼントだって。
この風船を選手入場と同時にみんなで空に飛ばして選手を迎えましょう。
そんな案内をしながら、ボランティアの人達が風船をみんなに配っていた。

プカプカと浮かぶ風船をもらって席につく。
友達の子供と一緒に甘栗食べながらじゃれ合って遊ぶ。
ぼくはサッカーチームに入って、学校のみんなとサッカーをしてるんだ、って教えてくれた。
「Jリーグのチームが、小学校に無料のチケットを送ったりしてるんだよ。
それで、子供と時々サッカーを見に来るんだ」
って友達が言っていた。

スタジアムの一角には、対戦相手である愛媛FCのファンが集まって応援をしていた。
その数は少ないけれど、たくさんの横断幕を広げて試合が始まるのを待っている。
「愛媛産には ”愛” がある」なんて横断幕もあったりして、なんだか楽しい。
そんなたくさんの横断幕の中に、こんなメッセージを見つけた。
「光一、丸さん ずっと愛しとるけん」
今年限りで引退をする選手へのメッセージ。
遠く愛媛から横浜へやってきて、大好きな選手に想いを伝える。
そのメッセージからは、スプレーで書いた文字と同じように優しさが滲んでいた。
橙色で書かれた「愛」の字が、手書きの文字が、なんだかとても愛おしい。

会場の外には、小学校の生徒が手作りしたメッセージが貼られていた。
地域交流と普及活動の一環として、横浜FCの選手やコーチは近隣の小学校を回り、子供達と一緒にサッカーをして楽しんでいる。
そのお礼に、と子供達がチームへのメッセージを書いて送ってくれた。
それが、壁にたくさん貼られている。
応援メッセージや写真、イラストがいっぱい貼られている中、一番端に横浜FCのコーチからのメッセージが小さく貼られていた。

はまっこのみんなへ
こんにちは、みんな。 元気ですか。
みんながくれた、よこはまFCのコーチにあてたありがとうのメッセージ、
読みました。
みんなからもらったあたたかくてやさしいありがとうのメッセージは、
よこはまFCのコーチぜんいんのこころを
うれしい気持ちでいっぱいにしてくれました。
みんなの「ありがとうのメッセージ」が
よこはまFCコーチぜんいんのおおきな力です。
コーチぜんいん、元気になりました。
はまっこのみんな、どうもありがとう。

空は青く澄んでいて。
スタンドは、水色の風船で染められて。
芝生は緑色に輝いて。
そして、選手達が入場すると同時に1万個の風船をみんなで空に飛ばす。
空へ空へと吸いこまれていくたくさんの風船がとても綺麗で。
みんなで空をずっと見ていた。
この日、横浜FCは2対0で勝利した。
そして、J2リーグ優勝を皆で喜んだ。
来年からJ1リーグの舞台で戦う。
(つづく)